久々のブログです。
けっこう、忙しくてなかなか更新できませんでした。
先日、一人の方が入院してきました。
当直看護師からのすごく戸惑っている声でその入院は始まりました。
「入院一人お願いしたいんですが・・・でも、すごく重症感があって、でも、よくわからなくて・・・?」
私「重症感?って重症?」
という感じで入院されてきました。
夫と娘が付き添いで、その入院してきたBさんは・・・・・
体が痩せ細り、目がくぼみ、髪の毛は伸び放題で、なんだか体からは悪臭がしていました。
50歳代なのに、もう80歳過ぎてるように見えました。
もう意識は朦朧状態で血圧も下がってきていました。
ぐったりしていたのは、Bさんだけでなく、2人のご家族もでした。
とりあえず、体中をキレイにして、重症の個室に入っていただきました。
家族のお話を少しずつ聞くうちに、Bさんは、直腸がんであり、とある病院でもう末期であると診断されたとのことでした。
手術など治療などの話をされましたが、Bさんが家で過ごしたいとの希望もあり、在宅療養して家で見取る覚悟だったとのことでした。
しかし、いよいよ意識がなくなると怖くなって救急車を呼んで病院にきたとのこと。
この病院にかかっていたわけでも、訪問看護を受けていたわけでもなく、カルテもなく、うちの病院が戸惑ってしまったっていう訳でした。
私は、かなり汚い状態できたBさんを見て、やはり、家で看護をするのは、難しいな・・・ドラマみたいなわけにはいかないのだな・・などと考えながら状態観察をしていました。
どんどん血圧は下がり続け、昇圧剤をつかうかどうかのいう選択になりました。
医師「血圧を上げる薬があります。しかし、必ず効くというわけではありません。いまの状況を(寝たきりの状 況)をただ長引かせることになるかもしれません。使用するかどうかは、家族の方が判断してください。」
夫「どうしようか・・・今のままなのもつらそうだ。どうしようか・・・やっぱり使おうか。」
娘「今まで頑張ってきたんです。使ってやってください。どういう結果になっても覚悟はできてます。」
そして、昇圧剤を使用することを家族は選択されました。
言葉は悪いかもしれませんが、かなり悪臭がして汚い状況のBさんを看ていて、どちらがいいのか・・・在宅か、病院か・・・などと考えているうちに、昇圧剤の効果もなく、あっという間にBさんは亡くなられてしまいました。
夫、娘「ダメか。まぁ、しょうがないな。がんばった。」
と、家族が泣き崩れるかと思いきや、案外あっさりした感じでした。
あれ?ちょっと変わってる人?と思ったりしましたが、娘さんに
「よくこの状態で家で看れましたね。がんばりましたね」
と声をかけると、いままでつらかったのでしょう。
急に、それまでは無表情で淡々としていた娘さんが泣くだしました。
そんな娘さんをみて、ダンナさんが
「本当に娘には迷惑をかけてしまった。仕事まで長期間休まして介護させてました。私は、こういう汚い状態で家内を病院に連れてきてしまいましたが、意識がなくなるまで毎日、顔を眺めていられて幸せでした。本当によかったと思います。いきなり病院に押しかけてすみませんでした。本当に、毎日毎日、家内の顔を眺めていたんです。」
とゆっくり話されました。
あっという間に、最後には、元気な人が退院していくかのように、笑顔の娘さんとダンナさん、キレイにお化粧したBさんが死亡退院していかれました。
なぜ、わざわざ遠いうちの病院にきたのかなど、なぞもありましたが・・・
私には、初めての体験でした。
一生の少しの時間をただBさんのためだけにに使ってあげた娘さんとダンナさんは、満足そうにさえ見えました。
大変な勤務でしたが、この出会いはとても貴重に感じられました。
私にはこんな風に愛する人が死にいくのを看ていく覚悟はあるのでしょうか?
こんなにやさしく患者さんを看護できるのでしょうか?
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